【要確認】住所・営業時間・電話番号・アクセス(原稿に記載なし、後日追記)
タイトル:
暮らしと地域に寄り添う『十字屋商店』でジュエリー探し
リード:
宝石店というと、特別な日のために訪れる場所というイメージがあるかもしれない。だが、『十字屋商店』が目指しているのはもっと身近な存在だ。「まいにちジュエリー」をコンセプトに、日々の暮らしに寄り添う宝石を提案。さらに、産業や地域の未来までをも見据えている。ショーケースの向こうに秘める老舗の思いを尋ねた。
見出し:小間物屋から始まった老舗の歴史

CAP:煌びやかなガラスケースに囲まれた店内。
ガラスケースの中には、エメラルドやオパール、サファイア、真珠など、色とりどりの宝石を使ったジュエリーがずらり。『十字屋商店』は、明治39年(1906)創業、約120年にわたって商いを続けてきた老舗宝石店だ。
「創業の地は押上だったと聞いています。関東大震災の後に菊屋橋に移り、戦後になって祖父が現在の場所に移しました」と話すのは、4代目の店主・大道寺勇人さん。長い歴史をもつ『十字屋商店』だが、そのルーツは意外にも日常を支える店だ。
「宝石店って、眼鏡屋さんや質屋さんから始まっていることが多いんです。うちはもともと着物まわりのものを扱う小間物屋で、戦後に祖父がジュエリーを扱うようになりました」

CAP:ひときわ輝きを放っていたこのリングは『十字屋商店』のオリジナルジュエリー。
宝石店のなかには、在庫を持たずに都度借りてきて販売する形態のお店もあるそうだが、「うちはお店の規模に対して在庫数が多い方だと思います」と大道寺さんは言う。
また『十字屋商店』では、石の状態で買い付け、職人に依頼してオリジナルのジュエリーを製作することも多いのだとか。「こんなデザインにしたいなと思ったら、自分でイメージを描いて職人さんにつくってもらいます。他のお店にはないような、変わったものやオリジナルのものも多いですよ」。
見出し:日常に寄り添うジュエリーをラインナップ

CAP:シンプルなデザインもあれば、石の個性を生かした形や装飾のものも多い。
宝石の魅力は見た目の美しさだけではない。原産地で採掘されたばかりの石が店頭に並ぶこともあれば、長い年月を経て世界をめぐり、この店にたどり着くこともある。
「土台に使われる金やプラチナも、もしかしたらアステカ文明の頃のものかもしれないし、クレオパトラが使っていたかもしれない。そう考えるとおもしろいですよね」と大道寺さん。近年は華奢なものが人気だったり、よりも金の方が売れる傾向にあったりとトレンドはあるものの、基本の形は古代から変わらないのもジュエリーのおもしろいところだ。

CAP:デザインが古くなった指輪をペンダントにしたり、サイズの合わなくなったリングを直したりすることも可能。
そして、『十字屋商店』が大切にしているのは、日常のなかで気軽に身につけられること。「まいにちジュエリー」をコンセプトに掲げ、「小間物屋から始まっているので、特別な日のためだけではない、暮らしに寄り添ったラインナップを意識しています」。オーダーメイドの受注も可能だが、リフォームの依頼も多いそう。ジュエリーのことならいつでも相談できる存在なのだ。
そんな背景もあってかお客さんはジュエリー好きな人が多いというが、初めてのジュエリーに挑戦したい人にもおすすめ。「以前は、うちのブログを読んで来てくださる方もいました」。

CAP:店舗は湯島エリアを東西に横切る春日通り沿い、天神下交差点のそばにある。
もっとも、そうした仕事を支える職人を取り巻く環境には課題もある。オーダーメイドやリフォームは信頼関係のある職人さんに依頼しているというが、ジュエリー業界に限らず、高齢化が進んで昔の技術が継承されにくくなっているのだ。
「この仕事は職人さんとの信頼関係がとても大切。私たち売る側も、安くして買ってもらうのではなく、お客さんに価値をきちんと伝えるように心がけています。職人さんにも気持ちよく仕事してもらいたいですから」
見出し:宝石の先にある、人と地域のつながり

CAP:「特に予約制ではないので、ふらっと入ってもらっても大丈夫」と大道寺さん。
そんな大道寺さんは、地域活動にも積極的。「藝を育むまち同好会」の事務局長としてアーティストを応援し、街の活性化と芸術の発展を目指す取り組みにも関わっている。店のダイレクトメールには、若手アーティストに依頼しジュエリーをテーマに描いてもらったイラストを採用。ジュエリーが身近に感じられるテイストで、アーティストによって宝石の捉え方や表現のしかたに違いがあるのも興味深い。
「上野の山の上には美術館や博物館があってアート施設もたくさんありますが、湯島など山の下はあまり多くないんです。職人さんの育成、産業の維持、地域の活性化、そしてアーティストの応援。どれも共通点があると思うので、多面的に捉えながら、うまく将来につなげていけたらいいなと思っています」
ショーケースの向こうで輝いているのは、美しい石だけではない。その一つ一つの背景にある技術や物語、人や地域とのつながりもまた、『十字屋商店』が扱う大切な財産なのだ。
十字屋商店
地下鉄千代田線湯島駅4番出口から徒歩1分
地下鉄銀座線上野広小路駅・地下鉄大江戸線上野御徒町駅A4出口から徒歩4分
JR山手線・京浜東北線御徒町駅北口から徒歩6分
京成線京成上野駅池之端口から徒歩9分
JR各線上野駅不忍口から徒歩10分
10:0〜19:00(土は〜18:00)、日・祝休
東京都文京区湯島3-35-8 コア湯島1F
03-3831-1085
